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竹中労さんの片思い?

2016年末から2017年にかけて、いろんな特番の再放送がされましたが、ビートルズ来日50周年だった2016年に放送されたビートルズ来日に関わるさまざまな人に取材したNHK BSプレミアムの番組(番組名は忘れてしまいました(^^;))の中に、音楽評論家の湯川れい子さんが出ていたので、ちょっと気になって見てみました。

その中で、当時のビートルズに対して記者会見上で大声を挙げた事についてかなりバッシングされたとインタビューで答えていたのですが、その際にテレビに映った記事は、まさに「ビートルズ・レポート」の当該部分だったのです。

番組では「ビートルズ・レポート」のことも竹中労さんの事も出ませんでしたが、番組を見た人なら、当時の湯川れい子さんは竹中労さんをはじめとするビートルズ・レポート取材班の方々と何らかの感情的ないざこざがあったのではないかとも思えるような感じがありました。もしかしたら、「ビートルズ・レポート」では湯川れい子さんはまだしも、同じくビートルズに直接インタビューした星加ルミ子氏の事をあまり良く書いていないというか、悪意があるのではないかと読んでいる人に思わせるような内容がある気もするので、そういう姿勢にも腹が立っていたのかもと思えなくもありません。「ビートルズ・レポート」の中では湯川れい子さんに対してはエールを送っている内容もかいま見えるのに、そうした想いが伝わっていない「片思い」的な状況になっているのは大変残念としか言えません。

これは、受け取る側のとらえ方でありますから仕方がないとは言え、竹中労さんの発言したり書いたものについて注目が集まるあまり、その真意が伝わっていない部分も少なからずあるのではないかとも思えるので、当事者とは全く関係ないとは言え、個人的に歯がゆい想いもあります。

ただ、物書きとしては全てにわたって自分の思い通りに行かないことはあるもので、それこそ名著と言われる「美空ひばり」の中にもそうした箇所があるのは有名です。これは文庫本(朝日文庫およびちくま文庫版)に載っていることですが、美空ひばりと山口組の田岡組長との関係を書いたことについて、「なぜ、親分の事を書いたのよ!」と美空ひばりさんのお母さんから激怒され、しばらくは出入りを禁じられた顛末が紹介されています。

竹中労さんは自分の考えにしたがって良かれと思って美空ひばりさんと山口組との関係について書いたそうですが、当時の竹中労さんの想いも美空ひばりファミリーには理解されなかった事も事実です。

このように、対象者に良かれと思って書いたことが当の本人に理解されず、逆に怒らせてしまうというのも竹中労さんの人間くささというか、個人的には好きな部分です。最初に挙げた湯川れい子さんとの件についても、いつかは竹中労さんの真意が理解されるといいのですが。