樹木希林さんの訃報を聞いて

2018年9月15日に女優の樹木希林さんが亡くなったというニュースが入ってきました。その前の月に左大腿骨を骨折して一時は意識不明だとか、穏やかではないニュースがあったものの、意識は回復したという話もあり安心していたのですが、こんなニュースを翌月に聞くようになるとはちょっと思えませんでした。

http://routakanaka.blog.fc2.com/blog-entry-10.html

彼女はこのブログや、このブログの前に開いていたブログ(上記リンクでご確認下さい)でも過去に書かせていただきましたが、竹中労さんの箱根の事務所を直接訪問し熱い議論をふっかけてきたというエピソードもあり、その頃から仲良くされていたようです。

竹中労さんが晩年にテレビに出演するきっかけを作ったのもフジテレビの「笑っていいとも!」の「テレフォンショッキング」のコーナーで竹中労さんを指名したこともその一因であり、その後「笑っていいとも!」のコーナーにも竹中労さんは出演していました。NHKBSの沖縄音楽の特集や同じNHK教育の竹中英太郎さんについての番組、民放では他に「イカ天」の審査員や「別冊イカ天」にたまと登場したり、読売テレビ「EX Osaka」(低俗の限界)、テレビ朝日の「ニュースバトル」の映像は現在勝手にYouTubeにアップされていますから見た方も多いでしょう。そうしたテレビ出演によって竹中労さんの事を知った方もいると思います。

竹中労さんの事を語るために山梨県甲府市に出向き、パネリストとして聴衆に竹中労さんの事を語ったことは、今でもはっきりと覚えています。竹中労さんを再びテレビに引きずり出したのは、竹中労さんは自分をセルフ・プロデュースしようとしないので、その点で批判をされていました。竹中労さん特有のテレビとの付き合い方を否定し、無理にでも全国の視聴者の前に竹中労さんを引っ張り出した仕掛人として、私は樹木希林さんのことを評価しています。

竹中労さんはまた、テレビ談語の連載の中で、市原悦子と樹木希林という2名の女優を比べ、「家政婦は見た!」という人気シリーズで名前を売った市原悦子さんの事を、シナリオに沿って楽にやっているとは言わなかったと思いますが、樹木希林さんの方が自分のために作られた長期シリーズがなく、その都度役を作りなおかつ存在感を保つという意味で、「樹木希林さんの方が上」と竹中労さんの分身である架空の座談会の出席者に言わせています。

また、TBSが「美空ひばり物語」を岸本加世子出演で行なった時にひばりさんのお母さんを熱演され、評価も高かったように記憶していますが、その際にも多少竹中労さんと事務所の石原さんとはやり取りがあったようです。竹中労さんが亡くなった直後、過去に「噂の真相」で岡留安則氏が撮影した写真が載った関係者の集まりに樹木希林さんも駆けつけてくださり、竹中労さんの思い出と石原さんとの関係を美空ひばりとお母さんとの関係になぞらえて発言したことを覚えています。ある意味、竹中労さんがお亡くなりになる前にテレビの前で輝いた状況をアシストしてくれたキーパーソンだったと思われます。

個人のご冥福をお祈りいたします。


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樹木希林さんの訃報を聞いて」への2件のフィードバック

  1. ツトム

    労さんがテレフォンショッキングに出演した時,おいらはカバン持ちとして一緒について行った。

    出演前にプロデューサーの横澤さんが挨拶と説明に来たのだが, その時に,樹木希林さんからのカンパだと言って希林さんの出演料を渡された。

    実際の出演金額も知っているのだが,その金額は労さんの出演料よりも2万円多いものだった。

    出演料は出演者のランキングが分かってしまうので あまり公にはされないし, 普通は他人には知らせないものだが, 直接渡すのをためらってこういうやり方にしたのかもしれない。

  2. terada 投稿作成者

    ツトム さん 当時のお話をご披露いただいてありがとうございます。

    ご披露いただいたエピソードは実に樹木希林さんらしい粋なはからいだと思います。竹中労さんはダ・カーポの連載を改めて読み直したら、御自身でテレビ出演についての事情について書かれていました。

    (ここから引用・「テレビ観想」第32回より)

     数年間の空白を置いて、ぼくがTVに復活したのは、旧友・樹木希林さんに勧められてのことである。
    「何故もっと脚光のあたる場所で、お仕事をなさらないの?」
     「勝手ですけれど、放っておいて下さい」
    と答えた。(中略)素直に彼女の言うことを聞く心境になったのは、七周めのアラブ漂泊の途上で倒れ、不治の病いが死期迫る状況にあると告知されてから……

    (引用ここまで)

    テレビに出演することで得られるギャラというのはお書きになったようにそれほど多くないことも確か竹中労さんは書いていたように思いますが、最終的に樹木希林さんの提案を受け入れたことで、その姿が今の時代でもネットを通じて見られるということもあり、改めて樹木希林さんのお勧めに感謝したいですね。

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