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国立国会図書館デジタルアーカイブで竹中労さんの著作が読めるように

すでにニュースで知っていたのですが、国立国会図書館がデジタルアーカイブを広くインターネット上から見られるように整備しているという話があり、個人的には早いうちから注目していたのですが、2023年の竹中労さんの命日を迎えるにあたり、改めてその内容を確認したところ結構な数の著作を会員登録すればパソコンやタブレットでインターネットを経由して閲覧することができるようになっています。

https://dl.ndl.go.jp/

まずは、上のリンクからメールアドレスを入力して会員登録をすれば、検索の画面から著者・竹中労で検索をすると、以下のような著作が読めるようになっています。

・呉子
・団地七つの大罪
・呼び屋
・見捨てられた在韓被爆者
・山谷 都市反乱の原点
・タレント帝国
・逆桃源行
・自由への証言
・ルポ・ライター事始(初版)
・竹中労の右翼との対話
・仮面を剥ぐ
・左右を斬る
・人間を読む
・聞書・庶民列伝(1)~(4)

2023年5月現在で面白そうなのは、ジャニーズ事務所が最初にプロデュースしたアイドルグループ「ジャニーズ」に対する故・ジャニー喜多川氏が行なったセクハラ行為について書いている箇所のある「タレント帝国」、竹中労さんの仕事の中でも広く知られている連載中止になった「エライ人を斬る」についての裁判について、「エライ人を斬る」の内容を紹介しつつその顛末を記録した「自由への証言」あたりは、今だからこそ読んで楽しめるのではないかと思います。

今後も自宅にいながらにして読める本が増えていって欲しいですが、本当に良い時代になりました。「タレント帝国」は当時の大手プロダクションの逆鱗に触れ、ほとんど流通しなかったと言われていますが、今や全国どこにいても読めるようになっているというのも面白いですね。


2019年2月22日夜9時からytv(日本テレビ系列)で「全日本歌謡選手権」再び?

今回の情報は直接竹中労さんについての出演情報ではありませんが、竹中労さんをご存知の方ならおっと思われるのではないかと思います。今年が大阪読売テレビ(ytv)開局60周年ということで特別番組として同局の歴史をひもとく上で重要な番組、参天製薬提供の「全日本歌謡選手権」をメインにしたドラマ「約束のステージ」が放送されるというのです。

設定が現代から昭和50年にタイムトリップしてしまった歌手志望の少女に土屋太鳳さんが扮し、その母親役に自身が全日本歌謡選手権への出場経験を持つ石野真子さんが扮しています。タイムトリップ先でコンビを組む少女にももいろクローバーZの百田夏菜子さん、二人をプロデュースしようとする元歌手の男に向井理さんという、今のドラマ界での目を引くキャストを押さえていて、さすが特別ドラマという感じがします。

ちなみに、「全日本歌謡選手権」のプロデューサーには石黒賢さんが扮し、審査員のキャストに番組からデビューした人達が名を連ねているというのもドラマの見どころになっています。審査員として出演するのが五木ひろしさん、八代亜紀さん、天童よしみさん、城みちるさん(彼は「スター誕生!」出身)で、山本譲二さんだけが本人役での出演だとのこと。

キャスト的に気になるのが、昭和歌謡に深い憧憬がありラジオの番組も持っている半田健人さんの名前があることですが、まさか彼が頭を丸めて竹中労役をするわけがないでしょうが、そうなると竹中労や淡谷のり子、船村徹、そして肝心の山口洋子(ここだけ敬称を省かせていただいております)のいない「全日本歌謡選手権」をやるのか? と思いますが、見もしないで文句を言うわけにもいかないので(^^;)、来週の放送をとにかく見てから改めてまた何か書こうかなと思っています。

ともあれ、テレビを見ている多くの人に「全日本歌謡選手権」という番組の詳細が紹介されるだけでも現代のプロダクション主導の状況に一石を投ずる可能性があるので、放送を期待して見たいと思っています。

・番組公式ベージ
https://www.ytv.co.jp/yakusoku/


島唄紹介のパイオニアとして紹介「朝日新聞」

2016年10月25日朝日新聞朝刊の文化・文芸欄にTHE BOOMで活躍された宮沢和史さんが行なっている沖縄の民謡保存活動について紹介されていました。宮沢さんと言えば、沖縄島唄への憧れを曲にしたその名も「島唄」が国内だけでなく海外でもヒットし、今に続く沖縄音楽のブームの一翼を担った人としても知られています。

20161025朝日新聞

ただ、記事には書いてありませんでしたが、その曲の題名を「島唄」と付けてしまったため、広くこの曲がヒットしても、本来は沖縄の民謡全体の呼び名である「島唄」という固有名詞を特定の曲の名前として一人立ちさせてしまったことへの反発も当時からあったようです。というのも、この辺の事情を知らない沖縄にやってきた観光客から、「島唄を唄って」と言われた場合、それが一般的な沖縄の民謡を指すのか、宮沢氏の作品の方なのかわからずにトラブルになったこともあったかも知れません。

しかし、単なるヤマトンチュ(沖縄の人たちからみた県外の人たち呼び名)のお遊びではなく、それ以降も地道な活動で沖縄との付き合いを宮沢氏が続けていったことにより、現地の方の協力も得ながら、今回紹介された沖縄民謡の録音による保存活動へとつながっていったようです。

ただ、やはり沖縄には沖縄のしきたりというものがあって、多くの唄者に協力を呼びかけて賛同してもらうことがこのプロジェクトが成功するかどうかのカギになっていたことでしょう。そんな中、この記事の中でキーマンとして名前が挙がっていたのが地元のレコード会社「キャンパスレコード」社長の備瀬善勝氏です。

宮沢氏の活動に協力を呼び掛けたのは、過去に沖縄にやってきて島唄にしびれ、唄者にはきちんとギャラを出してレコードを録音し、熱心に本土に紹介した竹中労さんのことを思い出したからだと記事では書かれています。こうした支援の結果、245曲・CD17枚組という「沖縄 宮古 八重山民謡大全集」にまとめ、2016年11月に発売するだけでなく、沖縄県内の学校や図書館など約500ヶ所に寄贈する見通しが立ったということです。

今回紹介した宮沢和史さんと竹中労さんとは直接の関係はありませんが、もし竹中労さんが元気な時にインターネツトを使ったクラウドファンディングなる仕組みがあったら(今回の宮沢氏のプロジェクトではこの仕組みが使われたとのことです)、大手の企業が食い付いてこないようなマイナーな企画でも何とか資金面での援助を受けてもっと色んなことができていたのではないかと夢想することができます。

ただそれも、最初に竹中労さんが沖縄に入って唄者の信頼を受けるまでにかかった労力を考えると、今こうやって沖縄の音楽を普通に聴ける環境ができていること自体が大切な宝のようなものだともしみじみ思います。個人的にも竹中労さんが行なった功績の一つとして、決して忘れないようにしたいものです。