「にゃんにゃん共和国」を読む その0 雑誌ライブラリーへ

竹中労さんの著作を集めている方は多いと思いますが、まだ単行本化されていない雑誌連載まで追うというのはなかなか大変です。ただ今回、そんな雑誌連載の中で注目したのが、他のルポルタージュとは一線を画す猫についての文章でした。

竹中労さんの年譜にも記載があるのですが、1978(昭和53年)48才の時に他の仕事とはかなり毛色の違った連載がありました。それが創刊した「猫の手帖」の1号から続いた「にゃんにゃん共和国」だったわけです。

具体的な内容については次回以降に紹介する予定ですが、個人的にはこの連載を読んでいなかったこともあり、何とか知らない人にも紹介をしたいと思ってまずは雑誌自体のバックナンバーを扱っていそうな古書店を探しました。こういう場合は実際にお店に行くよりもネットで商売をしている、猫の本を扱っている古本屋さんを見付けて、そこに置いてあるバックナンバーを買いあさるのがいいかと思ったのですが、ここで役に立ったのはそうした専門店には一通りの内容も書いてあるということでした。

雑誌「猫の手帖」には様々な別冊があり、竹中労さんの「にゃんにゃん共和国」は隔月の通常の形の雑誌内に掲載されています。さらに今回調べてみてわかったのですが、物書きとしては掟破りの途中一回の休載があるので、その辺をよく調べないと労さんの文章の載っていない号を高いお金を出して買ってしまうことにもなりかねません。

さらに、連載はちょうど映画「戒厳令の夜」に向けて動いている時と重なっているため、唐突に共和国は「崩壊」したという事になっています。ただ気になるのは、猫の手帖には竹中労さんの連載終了後にも「その後のにゃんにゃん共和国」という記事が載っている号があり、何がどうしてそうなったのかというのは当時の事を良く知っている人に聞けばわかるのでしょうが、その前にぜひ竹中労さんの書いたものに目を通しておきたいと思っていたのです。

ネット上での調査を進めているうちに、一つのページが検索に引っかかったのですが「猫の手帖」が創刊号から全冊揃っている場所があるという話があり、よくよく見るとそれは東京都立図書館の中央ではなく多摩図書館で、実はこの多摩図書館は立川から国分寺に引っ越して2017年1月29日にオープンし、資料の貸出はできないものの、中にある資料の中で雑誌の収集については群を抜いています。公立図書館では国内最大級の規模(約17,000タイトル)の雑誌を所蔵する「東京マガジンバンク」があるので、雑誌を探す際には気軽に使え、館内でコピーも可能ということでした。

たまたま先日別件で東京に行く用事があったため、時間を調整して最寄り駅の西国分寺まで出向き、全ての掲載分が読めるようにネット上の検索から「にゃんにゃん共和国」掲載号をリストアップした紙を持って図書館へと出向きました。

館内では「雑誌名」「発行年月日」がわかれば紙に書いて提出するとその雑誌を書庫から持ってきてもらえます。もちろん館内にも検索用の端末はあるのですが、時間の節約をしてすぐに見たい場合には以下のリンクから探してみてください。

・東京都立図書館 蔵書検索
https://catalog.library.metro.tokyo.jp/winj/opac/search-detail.do?lang=ja

ちなみに、今回利用した掲載誌のリストは、上記検索ワードに「竹中労」と単純に入れても出てきません。あくまで1978年の猫の手帖創刊一号から順々にたどって行ってようやく出てきたものです。これからしばらくこの連載の内容に触れつつ、当時の時代の雰囲気を感じてみようと思います。

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